原初のキス

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2010年 09月 26日

ワインのたとえ

ソムリエが、「これは果実味がゆたかで・・」というと基本そのワインは選ばない。
元が果物だから、あたり前に思う。

それよりも、動物の匂いがしたり、雨や苔の感じ、良家の子女や狩人の趣のするワインの方がおもしろいではないか。もっと言えば、冬眠中のリスが切り株の穴の中で(そういうとこで寝るのかな・・?)見る、夢の中の木の実の風味とか。

不謹慎な例かもしれないけれど、ごくごくおいしい白ワインの中にまれに、「仏教」の感じのするものがある。薫香極めてゆたかで、それなのに余分なものをそぎ落としていてストイック、悟ってる雰囲気があるもの。あと、極めて個人的なたとえとして、「五月一日」というのもあって、これは以前中国茶の専門店で、何かの理由があって必ず五月一日に摘む茶を飲んで、その香木のような強い香りが、がつんときたからである。このとき一緒に茶を飲んだ知人との間では、「五月一日的ワイン」というのは立派に成立している言い回し。

ということを書きつつ、今夜さるイベントでバーカウンターにドリンクチケットを出しながら白ワインを頼み、「フランスのとカりフォルニアのとがありますがどちらにしますか」と言われ、即座に「フランスの・・」とおおざっぱな返答をした自分。
私は白ワインについては超辛口が好きだが、フランスかカリフォルニアかという別だけでこれを判断するのは難しいはずなんだけど・・。

by zelan | 2010-09-26 22:34
2010年 02月 04日

2010年2月4日 「ブッダの集中力」

"何かをしているとき、つまらないとか、早く終わらせたいと思ったら、集中していないということ。なぜなら、集中しているときは楽しいはずで、そしてその楽しみは人間の成長には必要不可欠のものだから、何事も楽しく面白くやる工夫が重要だ。"と、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラさんという方の「ブッダの集中力」(サンガ新書)に書いてある。集中力を開発したいと思ったら、「効率」のことは決して考えてはならない、とも。

効率的に物事やるためだけに力んで「集中するぞー」となってる私は、はっきり言って真逆である。
「集中力フェチ」(言うまでもなくそれだけ集中力を欠いているわけです)の自分にとって、超実用的であるがゆえに、お勧めの名著。

「ブッダの集中力」 アルボムッレ・スマナサーラ著

by zelan | 2010-02-04 00:02
2009年 12月 20日

2009年12月20日 理想の恋人

彼は高貴な家柄の出、長身でものすごくハンサム、物事の道理に通じ、言行は完璧に一致、決して動揺せず常に慈しみの心で接してくれ、その上私が迷妄から醒めてより利口になるよう導いてくれる。

どんな人がタイプですか、と女性に聞いてもあまり意味はない、どんな答えであれそれを言っているときの、女性の態度にほんとうの情報がある、と以前の記事に書いたが、男性からたくさんこの質問をされている知人の出版プロデューサーの女性が、とりあえず「ブラピ!」と答えておく、と言っていた。私なら上述の人物、すなわちブッダと言う。

しかしここまで言ったら、男性にはちょっといぢわるな感じがするかしらん。
だいたいこういう人格は恋人というより、相当の努力の上それでも実現の確率はかなり低いが、自分自身の理想形。

by zelan | 2009-12-20 00:06
2009年 12月 01日

2009年12月1日 国宝・普賢菩薩騎象像

この前大倉集古館に根来展を見にいったときに、国宝・普賢菩薩騎象像もじっくり見て楽しんだ。

いい仏像ってとても垂直性が強く、前に立っているとものすごい勢いでからだの軸が立つ。きっと仏様が生きて歩いていたとき、彼を見た人もそうだっただろう。
蓮座に座った仏様を乗せた象は口の中も丁寧に創ってあり、舌やちょっと乱杭になっている歯がすごくかわいい。ほんものの象と違っているのは、足(犬みたい)と、わんたんの皮のような小さい耳、頭からお尻の方まで、からだがながっぽそいこと。大切な方を乗せているという、リラックスしたなりの責任感が現れている感じ。
外形としてはおそらく創ったときから全然狂いの出ていない木彫の像だが、色は落ちてしまったらしく、表面をよく見ると、金箔や朱のなごりみたいなものが見える。

もとはおそらく相当サイケだったわけだ。

国宝・普賢菩薩騎象像
http://f.hatena.ne.jp/tenten_temari0309/20090825202025

by zelan | 2009-12-01 00:04
2009年 11月 23日

2009年11月23日 アンチ・ハリウッドの悪夢~映画「脳内ニューヨーク」

渋谷 シネマライズでチャーリー・カウフマン監督「脳内ニューヨーク」を見る。
監督は「マルコヴィチの穴」などの脚本家。

空に浮かぶ人のよさそうなおじさんの頭の上にニューヨークの街が王冠のようにのっかっているポスターを見て、てっきりコメディだと思っていた私は、冒頭からさえない風貌の劇作家の主人公(アカデミー賞主演男優賞受賞の名優フィリップ・シーモア・ホフマン)が色んな病気を患ったり、奥さんが娘を連れて出奔したりのクラいエピソードに辟易しつつ、これがいつ逆転して「脳内」だろうがなんだろうがおもしろおかしくなるのか、と期待しながら見ていた。
ところがおもしろくなるどころか話はそれからもどんどん悲惨になり、生老病死の奔流で七転八倒の主人公は、受賞で得た大金を元手に巨大セットと大量の役者を使って自分自身の人生を再構成しようとするが・・・。

脚本も演技も実に素晴らしい。一方、何の救いもカタルシスもない。
一緒に見た知人が、「ハリウッド映画の真逆」と言っていた。

仏教では人生が苦であることは真理とされている。しかしその原因である欲や無知の構造を正しく理解して苦の超越を目指すことをも説いている。
この映画は前半の真理を見事に描ききっているが、後半についてはゼロ。
日本人だから、ちょっとだけ仏教を知っていて、よかったなー。
いずれにせよ、こういう映画を創れるのは精神的にすごいマッチョな方々であることは間違いない。
繊細と言えば聞こえはいいが、くまのプーさんのピグレットに毛が生えた程度に精神力にへなちょこの気味のある自分としては、「見るだけでもたいへん映画」今年のナンバー1を授賞する。

「脳内ニューヨーク」
http://no-ny.asmik-ace.co.jp/index.html

by zelan | 2009-11-23 00:04
2009年 09月 27日

2009年9月20日 モナリザ

このところコラージュにモナリザを使うため、たびたび図版を見て
いるのだが、彼女は、よく言われるように不思議な表情をしている。
ちょっと動物みたいだし、その中には膨大な情報が含まれているので、
見る側の心情や関心で解釈が変わりそうだ。

彼女はすべてを見透かしているような顔をしている。
何か知らないことがある人の顔ではない。
だからなのか、私には、少々憐れみを含んだ「嘲笑」を浮かべている
ように感じられる。

ダ・ヴィンチは手稿に、「すべては連関している」と書いた。
これはキリスト教的というよりむしろ仏教的な認識である。
モナリザの表情も、複雑な因果が運動して、激しく震えているように
見える。

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by zelan | 2009-09-27 13:05