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原初のキス

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2012年 03月 04日

天使と悪魔

携帯電話を充電するとろくなことがない、と思うのは、十回のうち九回は持って出るのを忘れるからだ。
今日だって、夕食を食べに行って料理が出るのを待つ間を効率的に使って、仕事の電話を一本かけようと思っていたのに、バッグの中のあるべき場所を探っても携帯がないのに気づき、メモ帳を取り出してこの投稿の原稿を書いたという次第。

この問題の再発防止のための方策はいくつもある。そもそも自分がこのマンションに越してきた十数年前に既に窓際の床に据えつけられていた、20年位前の品とおぼしきビーバーエアコン(どうしてエアコンが「ビーバー」なんだろう)の上に、ジョン・ルーク・イーストマンというえらくセンスのいいカリフォルニアの画家の手になる、うねうねした長い髪の毛をした女の人のうつくしいシルクスクリーンが置いてあり、その横に絵に比較するとまるっきり目立たない感じで充電台があるから忘れてしまうのだ。たとえば一日のかなりの時間をすごす机の上や作業台の近く、あるいは鍵などを置いてある棚の上にあれば、いやでも目に入るはず。もっと確かなのは、玄関の靴の側にでも置いておけば、忘れる率はPPMレベルに下がるであろう。コンセントは近くにあるから、不可能ではない。

なぜ自分がそれをしないかというと、結局の処審美観にあわないというのが主たる理由である。悪いけど、しょっちゅう目に入るところに、充電台にしても携帯にしても、あのそっけない四角い代物を置きたくない(プロダクトデザインに関わる人には申し訳ないがまあ別の人種がいるということ)。人間、たとえば携帯を忘れるのは不便なので忘れないようにしかるべく方策を取るという理性に従うことができればたいていのことはできるんじゃないかと思うけど、その意味で、理性を天使に例えるとすれば感性あるいは感情は時として(というかすべてでないにしても結構な場合において)悪魔である。でもフランスで思春期の少年少女の美しさをLa Beaute du Diable(悪魔の美しさ)に例えることがあるように、悪魔というのは結構魅惑的なものの代名詞でもある。

とはいっても、そこが私の複雑なところなのだが、理性にまさるものはないと、心の底から信じているのだ。つまり、結局は天使にシンパシーを感じる派であって、それが自分の、なかなか文字通り実践できてはいないのだけれど、根本的な、性質。

by zelan | 2012-03-04 00:13