2018年 12月 28日
![]() 3週間と聞いてええ~と思われる方も多いとは思うが、年末だからというばかりでもなく自分には突発的に大規模で徹底的な掃除を実行するというヘキがある。まだ使える什器や小物まで派手に買い替えるので知人からは御道具を作り変える遷宮に、冷ややかになぞらえられているのだが、ともあれ平成最後の大遷宮がようやく終って心底ほっとしてもいいはず。
が、ほっとする一方心穏やかでない部分も残るのである。 というのも、全体がキレイになって終ったと言っていい状況にもう十分になっているのに、むしろそうだからこそ、それまでは何ということもなく見過ごされていた微小なシミだの汚れだのが異様なまでに目立って知覚されてくるからだ。 コンセントのまわりのクロスの微かな黒ずみ、何かをぶつけた時についたドアのキズ、テーブルの脚に飛び跳ねた直径2ミリの絵具の点々・・・。そしてこれらを清めたり補修したりするにつれ、汚れ知覚の精度はいや増さり、もはや対象は名もなき者たちの国へと突入するのであった。即ち、何と呼ぶのか知りさえしない、部屋の床近くにぐるっと付いている高さ5センチ位の板状のものとその5ミリ程の上面についている埃、ドアにガラスの窓が付いているのだがその回りに飾りとして彫ってある幅及び深さが3ミリ程の溝の中に溜まった汚れ、トアといえばドアが納まる枠みたいなものの上面にうっすら積もった埃とか(決して誰からも見えはしない)。 もう気分はマクベス夫人である。永遠に、完全には綺麗になんてならないよ・・。もはやアリ地獄。 でもこれ当り前。どこかをキレイにしたと思っても、そうしたが故にその周りに相対的にキレイでないところは必ず現れる。 こういうことに鋭敏な性質というのは、美術とか、何かの役に立つと思って自分を慰める。 て、いうか、実はこの状況が大好き。だから地獄とは言っても楽しい地獄なのである。 #
by zelan
| 2018-12-28 08:41
2018年 12月 27日
![]() 言葉は常に現実からはずれている。ずれている上に、非常に強力な意識と行動の統制力があって、それはえてして鋭く狭く、少しズレた方向に、我々をもっていくからである。Statementは作品のあとに、という話とも関連している。前にがっつり「考え」ると、これに縛られるからだ。 ただ、最近少し考えているのは、学んでいる最中や構想、また振り返りの際には意識的・言語的に思考してもよくて、制作においては直観と感覚しか使わないという、インプットとアウトプットにおける脳のモードを変えることが重要では、という仮説である。これに、即ち言葉の使い時に習熟するならば、言葉はさほど怖いものではないかもしれない。 一方ビジネスの場合なんかだと行動指針とかヴィジョンとか、はっきり言語化してた方がいいことは多いとは思う。大体において複数の人が関わるから、バラバラにしないため、というのがテクニカルな理由としてもある。またこの分野では、非常に優れた言語感覚をもって統率や意識・行動の変化を促進するという才もあるだろう。経営コンサルタントの横山信弘氏によるこの記事には感心した。 Yahoo!ニュース 似た内容の過去の記事: #
by zelan
| 2018-12-27 09:15
2018年 12月 26日
プレゼンされたものを見ると読む人にとってはかなり、なんだかこれを元に、これがあったから制作したように見えるのだが、実際は作家が創るから自分の作品からのフィードバックでStatementがしかるべく書けるというのが大きな流れである。即ち、物事の基本の順序としてはStatementの内容 → 制作でなく、制作 → Statementだ。 それくらい人間て自分のことを知らない。 て、いうと「自分」というものがあるように聞こえるが、仏教では自分があることすら否定していて、それが真実なら、自分(として認知されている連続的知覚的知的現象)的なるものを本人(として認知されている連続的知覚的知的現象)がはっきり知らないのも、ごく当たり前のことなのだが。 #
by zelan
| 2018-12-26 09:40
2018年 12月 25日
戦争の抑止 である。冗談みたいに聞こえるが、ソレを創ったり見たりしている時、人はその思考や感覚において戦うことから遠く離れる。 その時間は個々においては短いかもしれないが、その積み上げは、必ずや世界に影響を及ぼす(自分は感覚的に、あるいは希望から言っているのでない。単に人がやることなすことの時間は有限であるという事実から、論理的に言っているのである。故に世の中のあらゆる事象・事物は、概念的に大きく二つに分けるなら戦争を推進しかねないものと、抑止するものに、分かれる)。 よく、絵には具体的な機能がない(=それ自体としては何の役にも立たない)というような論があるが、これが何を言わんとしているのか、自分には全然わからない。存在するもので機能がなく、即ち役に立ったり、害になったり(こっちは役に立つの逆)一切しないものが、もしあるんなら今、目の前に出してほしいな・・。 #
by zelan
| 2018-12-25 08:08
2018年 12月 24日
ほぼ9年位前にブログで以下のようなことを書いた。 有言実行の男子は尊敬に値するというお話だが、この考えは今も変わっていないものの、言わないでどかどかやっちゃう人も個人的にはとてもいいと思う。 #
by zelan
| 2018-12-24 23:01
2018年 12月 24日
どうせめちゃめちゃな勢いで複雑になっていくんだから、根本はシンプルであること。 複雑になることには故に非常なる注意を払わねばならないのに、なぜだかあえて複雑にしようとして失敗する例が多い。 #
by zelan
| 2018-12-24 21:08
2018年 12月 22日
以前絵を描く知人が、長い間全然筆を取らないので、「一向に描く気配がないではないか」と糾弾した処、 「オレは考えてるんだからいいの!」 と、言われた。 当時は冗談としか思えなかったが、これはそれなりに評価すべき、制作に対する一つの態度だ。 手ばかり動かすのは、考えてるだけより100倍悪い。
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by zelan
| 2018-12-22 23:34
2018年 12月 22日
小学生の頃、ムンクの「叫び」を見て、怖いような笑っちゃうような感覚に心理的に身悶えた。 大人になって改めて図版等で見ると、どちらかというと笑っちゃう感が大きい。 (ちなみに、絵画について感じたことを言うのは何を言おうと完全に合法的であり、倫理的にも殆どの場合何の問題もない、作者や作品がいかに有名であろうとも。) 来年一月まで都美でムンク展をやっている。 自分も行くと思うが、本物を見るとおそらく笑うどころじゃないだろう。 本物ってそういうもの。 #
by zelan
| 2018-12-22 17:17
2018年 12月 21日
自分は制作者であるがささやかなりコレクターでもある。人がなぜ絵を買うか、どの程度の価格の絵をどれ位買うかというのは細かく見れば100万通り位のヴァリエーションがあるが、理由に関して言えば、主には感覚的に喜ばしき経験をする「時間」か、何か新しい認識を得る「学び」を買っている。または価値がある(と自らの感覚や知識、または他者からの情報等によって信じることのできる)ものを選び取れるという「自己効力感」を買うのである。 #
by zelan
| 2018-12-21 22:39
2018年 12月 19日
![]() 1.ものの整理や廃棄を徹底的に追及していった結果、ある瞬間空間の質が激変し、急に100キロ先まで見通せそうな清浄感が現れる。 2.どこに入れようかと保留しておいた物品のさまざまを格納する理想的な場所が次々見つかるようになる。(例えば五角形のものだったら、しかるべき場所におあつらえ向きの五角形の空間を発見!) 整理や掃除の一般論では、収納などはやや空間を残しておくのが定石だ。しかし自分は2にみられるようにぴったりはめ込むのが好きである。なぜならその方が(空間と物品の奇跡的にスキマのないマッチングによって・・)、「世界に本質的に内在する秩序」というものが感じられるから。 もとい1にしても2にしても、「秩序ってものは元からあり自分はそれをジャマしてただけ。」と実感する。 大掃除の際、大量の物品を廃棄するはめになるが、ならもう少々心して買うべきであったと毎度思うからである。
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by zelan
| 2018-12-19 08:43
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