原初のキス

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カテゴリ:美術について( 3 )


2019年 02月 14日

アートと人格

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自分は人は誰でもアートをした方がいい(こういう時は「美術」より「アート」という言葉が合いますね)、というとんでもないことを考えている人間だが、(しかしアイスホッケー狂いの人が「人は誰しもアイスホッケーをすべき」と主張したら即座に断る!冷え性だし運動神経もないし)、アートのいいところの一つに、「人のせいにできない」というのがある。自分の目の前に自力で展開させるささやかな世界の責任は自分自身が担っている。ときたま、100円ショップで買った30センチ定規がやわらか過ぎてカッターで紙を切ろうとしたら定規の方が切れてしまう、という事態が生じた際など人のせいにしたくなるが、基本作品上の成功も失敗も自分のせい。

不用意に人のせいにしない、というのは人が持ちうる人格上の美点のひとつだ。その意味でアートは人格をじわじわと向上させていくための行為でもある。


by zelan | 2019-02-14 09:33 | 美術について
2019年 01月 31日

ほぼ80%の確率

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夕食時となりの席で話している女性二人組が、職場の同僚ないし上司への愚痴を一方が主に語りもう一方が同調しつつ増長させるという会話の流れで盛り上がってきたかと思うと突然、いきなり私の定義によるオカルトやニューエイジ方面(占いだの方たがえだの前世だの・・)になる、という確率があまりにもあまりにも高い。世代問わず自分の感覚ではほぼ80%くらいなのである。(私はいろいろなレストランに出没しているというのに)。

自分が社会学者だったらこれを研究対象にしたい(まずはほんとに80%なのかを確認しよう)。でも日本女性が30年間世界第一位という長命を享受しているということは、これが一種の「健康法」である可能性がある。調べるのは社会学者じゃなくて医学研究者の方がよいのか・・。

自分はアートを作ったり見たりするのも立派な健康法たりうると思っているが、ただ作ったり見たりするだけでは効果が十分でなく、いくらか見る物の質や見る方の鑑識眼というものが関係しそうだし、愚痴とかオカルトほどスカっとはいかないだろう。

でもなんだか、こっちの方をおすすめしたいような気がするのである。


by zelan | 2019-01-31 11:55 | 美術について
2019年 01月 29日

基本というもの

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基本というのは先人の知識経験の集大成なので決して初歩的ということではない。
むしろもしも基本と言われるものを誰かから習ったりあるいは調べて情報を得るのでなければ、基本及びその重要性に気づくのは結構経験を積んでからということになる。私は美術を高名な美術家の方に手ほどきを受けたが、彼らが伝えるのは言ってみれば表現する際に考慮検討すべきエッセンスの方で、いわゆる基本ではなくましてや初歩的な要素などではなかったように思う。そしてこのブログにも記事を書いたことがあるが、例えば私の先生に構図の理解を深めたいと言ったら構図でなく人間の視覚の原理が重要だと彼は言ったのだ。

ともあれ基本を最初から全部習ってしまったり人から聞いたりしらみつぶしに調べてしまうのは、なんだか少しもったいないし、ちょっと危ないと思う(経験より言語の理解があまり先になると経験に言語の色付けがなされて感覚の純粋性が阻害されたり等々)。ただし、すべて自分で発見していくというのは経験上あまりにも効率が悪すぎる、ということで勉強半分手を動かすこと半分という、比較的穏当な結論に落ち着くのであった。


by zelan | 2019-01-29 14:56 | 美術について