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原初のキス

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カテゴリ:絵画( 4 )


2019年 11月 10日

「イメージ」と「マチエール」

色だの構図だの平面美術を構成する要素は多々あるが、極言すれば「イメージ」と「マチエール」ではないかと突然思う。この二つについてはベン図で言えば真ん中の重なってる部分の広さがゼロとは言わぬまでもあまり大きくない。上述の例に出した色や構図はイメージとがっつり重なってる、というかイメージという上位概念に対するその構成要素って感じがするのよね・・。

前このブログに書いた、池田満寿夫氏が油絵を描いている時のマチエールとの格闘についての話をまた思い出した。
版画には版画のマチエールがもちろんあるけれども、どっちかといえば高さがなくさらっとさっぱりしており、マチエールマチエールしていない(ヘンな言い方・・)。で、自分はこの高さのないマチエールが好きなのです。凝ったマチエールも素敵だがそれとイメージと両方見えるのが少し疲れる。イメージ>マチエールと主従関係であってほしいのだった。

とああだこうだと雑駁な論を展開しつつ、結局の処イメージとマチエールはごくごく合ってないといけないはず。完璧なカップルのように。という意味ではやはり、この二つは本質的に「他人」なんぢゃないかしらん。





by zelan | 2019-11-10 15:36 | 絵画
2019年 03月 10日

黒い虫と絵画

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最近なぜか見ることが減ってきた例の黒い虫。
私にとってはありがたいが、彼らにとっては生きづらい環境になりつつあると思われる。

もとい、たまさか彼らが出現すると、普段は比較的おとなしい自分も絶叫だ。
そしてその理由は「コントラスト」に他ならない。

生命体なのにミニマルに幾何学的な形(楕円と曲線と直線でできてる)、油を塗ったガラスのような特異なマチエール、プリンの上にかかっている以外あまり見かけないような、ベージュ、白、グレー、ラベンダー色など室内で好んで使われる色彩を背景に対し境界くっきりな濃いめの焦げ茶色、完全な静止状態から助走なしにいきなり新幹線並の速さで動き全くぶれずに急停止、など、フォルム、マチエール、色、動きの全てが、他の存在からあまりに浮きたつ。その様は、例えて言えば田舎の親戚の集まりに出たら、いとこの新しい恋人であるパリコレのモデル(どこで知り合ったんだろう・・)が突然まじってた位目立っているのだ。自分など、昔浴室の床にソレがいた時、まだ周辺視野にもひっかっかっていないただドアを開けた瞬間に、第六感状のもので「いる!」と感じたことがある程存在感が強大。

と、いう訳で実は私は「ゴキブリ」のような絵が描きたいのである。
コントラストと言えば自分が勝手に絵画(とか、芸術全般)に最も重要だと目している要素だからだ。
大体美男美女だのうまい絵だのは、ずーっと遠くからでも、誰にでも即座にそれと知れるものであって、ギラギラしているとかジミとかは全く別の次元で、感覚に対し「はっきり」してるのは超大事。

絵を描く知人にこの考えを伝えた処「わかる~」ということで、思いのほか簡単に同調してくれる人が見つかった。ゴキブリ絵画党現在党員2名である。


by zelan | 2019-03-10 22:30 | 絵画
2019年 02月 09日

外部

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具象であれ抽象であれ絵画は常に絵の外にも存在する何かの一部を描いている。なぜなら世界の全体は描けないからだ。このことは頭ではわかっているのだが画面に向かっているとしばしば忘れる。今目に見えているイメージと自分がやっていることと、次の打ち手などに感覚や意識が過集中になっていくためである。

しかしこれは別に絵に限ったことではない。人は自分の行為や感覚に対しかなりの時間過集中ではないか。
今見えていないものも含めて全体視することは一般的に言って人間の性というか習慣に反する。絵を描いている時はだから、この画面の外にある世界とも自分がつながっているように、これは何かの一部なのだとしばしば思い出す必要がある。そして芸術やスポーツなどは、最も純粋な形でこの全体視に関わるものなのだ。



by zelan | 2019-02-09 21:54 | 絵画
2019年 01月 28日

墨の懐

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黒というのは比較的注意して使った方がいいと、絵を描く少なからぬ人々は思っているだろう。黒は強い色で他を圧倒しやすいし、例えば影とか暗いとか言っても実際は別のものの色が反射していたりするのでいわゆる真っ黒というのは稀なのである。絵具の黒は何種類かはもちろんあるが、使う時そのまま使うのではなく例えばアイボリーブラックに
ウルトラマリンを混ぜるなどして色味を加える方が使いやすい。

ところで最近よく作画に墨を使うのだが墨の色というものは何と言うか最初からかなり混色されているようなニュアンスがありアクリル絵具の間に置いてもなかなか良いのである。チューブ絵具の黒のようなそっけない人工物感がなく何とも懐の深ーい感じ。アクリル絵具が耐水性なのに対し、墨はそのままだと水に溶けるというのや、マスキングテープではげやすいとか、自分の技法の関連では若干の扱いづらさはあるものの。

これ何かに似ているな~と思っていたら、そう漢方薬なのであった。キレよく扱いやすい西洋の絵具は西洋薬。

因みに自分は漢方を愛飲していて主には補中益気湯というのを飲んでいる、微妙に体調が悪くなるとこれを少し飲むと大抵改善。不思議なのは日本で承認されているものだけでも漢方は300種類近くあるのに、なぜか自分においてはほぼすべての不調に対しこれで用が足りてしまうこと。これもまた懐が深い。






by zelan | 2019-01-28 15:22 | 絵画